今週のギャロップ競馬ブックハルウララについての記事があった。
ギャロップの投稿ページにハルウララについての意見が載っていたので、いくつかここで書いてみるが、
肯定派の意見は「競馬を知らない人が関心を持つ」「高知競馬の活性化に繋がる」「「無事是名馬」と言う言葉があるように恥じるべきではない」などなど。「競馬を知らない人が関心を持つ」は成功したと思うが、実際にハルウララが出ない日以外に競馬場に来るかに対して疑問が残る。「高知競馬の活性化」はおかげで高知競馬は9800万の黒字になりましたが、ただあの日一日だけで、これからの事を考えると、まだ活性化には繋がってない気もする。リピーターが増えて、売り上げが上がれば、繋がったと思えるが。「「無事是名馬」・・・」は地方競馬全体を考えると恥じるべきでは無いと思う。
ばんえいでは定年で引退を迎えた馬に対しては全馬に合同で引退式を開いてくれている。どんな下級条件馬であっても、最後は調教師やお世話になった人が走ってくれた愛馬に対し、ねぎらいの言葉をかけてくれる。実際、感動するような言葉も多い。
佐賀ではナイススターローンという馬が佐賀一筋で6年半、106戦も走り、功労馬として、認定され、A3で大きなタイトルが無いにも関わらず引退式を開いた事がある。中央みたいに有力馬はすぐに故障してしまい、ファンの関心を引かせるような事より、丈夫で無事に最後まで走ってくれたほうがいいと思う。(もちろん強い馬もいいが。)
では、否定派はどうか。
「単に勝てないだけの馬です。高知競馬の皆さん、他をファンを引きつけるアイデアを考えてください」→この人の意見、後半の部分は同感できる。高知競馬はハルウララ以外にお客さんをさらに引きつける方法を考えないといけないと思う。ハルウララにしてももう8歳の牝馬。いつ引退してもおかしくない年齢。ハルウララがいなくなった時の経営も今、考えないと。これは他誌でもいろんな人が言っていることだ。
「負け続ける事は努力なしでも出来ること。感動するほうがおかしい」→ハルウララは負ける事で感動を呼んでいるんじゃなく、ハルウララの周辺の環境、やそれに携わる人々、そして今の高知競馬の状況とマッチして感動を呼んでいると思います。今の高知競馬自身がハルウララと考えたほうがいいでしょう。それくらい厳しい中、100戦以上もそれも故障もせずに走り続けている事に今の社会情勢とマッチして、見る人は共感を覚えているでしょう。それに負け続ける事は努力無しでも出来ると書いてありますが、じゃあ、100戦以上もそれも故障せずに丈夫に元気で走れた事はこれは努力と言っていいでしょう。
岩手の場合、100戦走った馬には功労馬として、みちのくレースグランプリで表彰される。表彰されることは馬だけではなく、関係者の苦労も実って100戦まで走れて表彰されるものだ。この人の意見にははっきり言って賛同できない。
「通常なら処分されることをはっきり伝えるべきだ」→それやったらますますファンが逃げちゃうと思いますけど。去年、あれほどファーナンド問題でアメリカなどから批判受けているだけにそんな事実をますます言いにくい状況だと思います。それ以前に負け組は処分されるという事はだいたいのファンは分かっていると思いますよ。
「リフレッシュして休養という選択もすべきだと思います」→ハルウララの全成績を見ていると、最長で休んだのが1ヵ月半とほぼ休み無しで走り続けているという気もします。ただ、今の厩舎の経営から考えると、休ませる分、手当てが減るから、どうしても走らせたいという気になっているかもしれません。あの冨田厩舎でもちゃんと休ませてるのもいた。現に宗石厩舎は高知のリーディングでも下のほうだし。せいぜい2ヶ月くらいは短期放牧でもいいから、ここまで走ったご褒美として休ませてもいいと思いますが、周りがそれを許すかどうか・・・・・
「完全に商売の道具になってしまった気がします」→同感。特に馬主が馬主だからね。黒船賞をやる前に、口取りをしないという話も出て、ファンが怒ったという話もありましたからね。この先を見つめてみると、高知競馬もハルウララで必死になりすぎて、他の事が見えなくなっているようにも見受けられそうです。現に場内の食堂もそうだったし。馬主も今後、どういう行動を取るか、注意深く監視したほうがいいですね。同じギャロップで小島良太調教助手も同じような事を書いております。「ハルウララ経済動物にしか映りません」と。
競走馬がいう経済動物と違う経済動物の意味で小島調教助手は言っていると思う。さらに小島調教助手はこれ以上走らせるなら、馬のためではなく、人のためと言っており、馬主、主催者、マスコミのために走らせていると。宗石師も本当は心の片隅に引退させたいと思う気持ちがあると思いますが、ここまで騒がれてはと思うと、心労もかなり酷いものでしょう。かつて川崎の名牝ロジータを管理されてた福島幸三郎調教師もロジータのおかげで1年で髪が白くなったというお話があります。それほど強いロジータを管理されてた事で心労がきつかった事でしょう。ブームが頂点の最中に引いたほうが幸せな余生が送れると思いますが、馬主がね・・・・・・
他にもいろいろあったが、ここで割愛させておく。
続いて競馬ブックでは当日のレポートが乗っている。
自分から見た当日のレポートはid:yoake:20040326に書いたが、こっちではブームに対する疑問を書いている。
当日の高知は1万3千人入り、馬券売り場も長い列が出来ていたが、果たして本当の競馬ファンはいたのだろうか?単に応援ブームに乗っているだろうか?列に並んでいる人は当日行われた全日本新人王争覇戦や黒船賞に興味があったのだろうか?そして今後のことなどが書かれてた。
長い列に並んでた競馬ファンのグループはグループの一人に当該レースの馬券を買って来て、場内のモニターテレビなどで実況を聴くなどの工夫をしたり、朝、あらかじめ前売りで買っておくなどの様々な手法で競馬を楽しんでいた。
パルス高知で自分もあらかじめ前売りで買っておいたが、書いたとおり、1階は混んでいて、2階以降は空いていた。1階はハルウララの専用窓口があったためで、普通の馬券が買える2階以降はちょっとは混んでた程度だった。
黒船賞が終わり、10レースの馬券を買う列に並んでたときに他人の買い目がモニターに出るので、眺めていたが、ハルウララ単勝以外にも他の馬の単勝ハルウララを絡めた馬複・馬単も買っていた。少なくとも自分の所の列に並んでいたのは普通の競馬ファンだった気がする。
ただ、これでリピーターが出るのだろうか、未だに心配が耐えない。
都落ちの園として、いつまでも残しておきたい地方競馬ファンの自分としては、ハルウララ以外での経営努力を怠ってはならないと思う。