19日に福田知事から出た宇都宮競馬廃止の発表で、ファンや関係者から怒りの声が出ています。
血統の森にリンクされてる東京新聞の記事を見ると、県馬主会らは「一方的過ぎる」と怒り、新競馬場用地の事にも触れておりますし、ファンからも「改善努力していない」など県に対して、怒りの声を挙げておりますが、果たして今回の宇都宮競馬の廃止は妥当だっただろうか。
競馬場廃止になると、ファンから怒りの声が挙がるのはいつもの事ですが、今回の廃止は同じ北関東の高崎と上山が足して2に割ったという感じがします。
id:yoake:20041001でも宇都宮競馬の事を書きましたが、

宇都宮競馬は栃木県競馬組合が運営していますが、委員が「経営改善に努力したのか。」という発言に対し、県側が「未来が無い」「赤字を一般会計から補填する事は出来ない」と言っておりますが、後者の意見はもっともだと思いますが、ただ、前者の「長期的に見れば未来はなく、余裕があるうちにやめて関係者の補償こそ重視すべきだ」の発言。

確かに宇都宮競馬はこのままの状況が続ければ、未来は無いはそうかもしれませんが、しかし、経営改善もせずに、何も出さぬまま廃止に向かうというのは何か違和感があります。
(中略)
「赤字が続いてこのまま行けば一般会計から補填されなくてはならなくなるから廃止」派か「経営も改善していないのに廃止を選んで、足銀破綻などで雇用対策に強化している時に宇都宮競馬を廃止にさせ、数百人の失業者が出て、雇用対策にも影響が出るから反対」派の2派に分かれてるかと思います。

しかし、他の地区でもこういうやり取りを見て、思ったのは「高知競馬みたいに何で他の地区でも「高知方式」を取らないのか」と。

高知の場合は競馬場の使用料や競輪との競合で県の責任も問われ、結果が「高知方式」使用に至り、組合側もこれを機に今も存続に向けて懸命に努力をしている。それを何で他の県ではやらないのか。赤字だったら去年の上山競馬みたいに赤字の上限を儲けて、上限を超えたら廃止というやり方(去年廃止になった上山は当初はそのやり方で昨年度は存続させた。けど、売上が一向に伸びずに結局年度末の11月に廃止に)にしてもOKなのに、それすらもやろうともしない。つまり、「赤字だから何やってもダメ。すぐに廃止にさせちまえ」という空気が各県の間で流れていると思います。

これは県議会総務委員会で宇都宮競馬の存続陳情を不採択にされた時に書いた事ですが、一部の委員の発言に違和感がかなりあり、「赤字だからすぐに消えてしまえ!」的な発言をしています。
競馬は鉄道やバスといったほかの公共の物と比べると、同じ公営の物でもおそらくかなり下のランク付けにあるのではと思います。
公営バスとかの場合、利用者が多い上、無いと不便な部分が多いため、赤字で廃止したくても廃止できないような所がありますが、しかし、競馬や競艇などの公営競技の場合は無くてもたいして影響が無い、所詮娯楽みたいな物という考えから、ランクは下に位置していると思います。
上山や高崎の時に「競馬は県のために多大な貢献をしてきたのに、何で赤字になったらすぐにポイッなんだ」と関係者が発言しましたが、こういった公営競技の目的は財政に貢献すべきためにある物であって、それが出来なければ市民にあまり影響が出ないなどの理由ですぐに廃止されてしまうと思います。つまり学校や公民館、バスなどの公共交通運営と違って、競馬場などといった公営競技の廃止は廃止しても、影響は少ないし、多くの市民に迷惑をかけないといった事で、ここで先に書いた公営の物でも、公営競技のランクはかなり下だと思います。
宇都宮競馬にしても、委員の発言はこういった事情から「すぐに廃止させちまえ」発言になったと思いますが、しかし、その県は宇都宮競馬の主催者である。
主催者側である県が経営努力をせずに「すぐに廃止させちまえ」発言はなんか責任のすり替えをしているのではと思います。
「未来が無い」「一般会計から補填できない」とその委員会では県の委員からコメントが出ましたが、経営努力も何も出来ていないのに、こういう発言というのは、無責任極まりないと思います。
同じ栃木でも栃木県警は、警官の息子が殺人犯であるにも関わらず、その警官を庇う様な行為をし、世間からかなりの批判を受けた。
そういった無責任姿勢が大元である県にもあったようで、これが栃木県の体質なのかとも思ってしまう。
県側の議員が競馬に熟知していたのはか別として、肝心の県のこの発言には違和感が覚えます。
これがおそらく宇都宮競馬系のサイトで怒りを作った原因かと思います。
主催者である県が自分の責任を感じていない・・・・・これじゃ怒るのは当然だと思います。
ですので、県の無責任さから廃止は妥当ではない・・・・・と書きたいのですが、あえて県側の援護もしてみたいと思います。
宇都宮競馬はどっちにしても、来年度末には廃止になっていたと思う。昨今の厳しい情勢じゃ売り上げ増も望めず、さらに北関東競馬というと、同じ競馬でも他の地区と比べると、知名度もレベルも下の方に位置すると思うし、経営努力をすればなおさらだが、それでもどこまで赤字を詰められたか。
さらに同じ北関東の高崎競馬が廃止を表明した事により、北関東での単独開催になるという事は、赤字額を増大しかねないと思ったかもしれない。
これを機に南関東編入させちまったほうがいいという気もしたが、しかし、距離がありすぎた。
赤字も限界に近いし、元々宇都宮の廃止は既定路線みたいな物だったんだから、1年早くして廃止にさせちまおうという事で廃止を選んだのかと思います。
北関東の公営競技はどこも赤字続きで、桐生競艇は廃止寸前とも言われているし、宇都宮競輪も伊勢崎オートも前橋競輪も赤字続き。特に伊勢崎オートはオートレース全体の状況が良くなく、ある意味笠松競馬みたいな状況に置かれてる。
前橋競輪はビッグレースがあるからまだしも、宇都宮競輪も赤字続きで、ひょっとしたらいつ廃止になってもおかしくないと思われますが・・・・・・
ヘタすると、数年後、北関東にあるのは朝鮮と関わりの深いパチンコ屋と前橋競輪くらいになっていたりして、パチンコが北関東一のギャンブルになるという事になりそうです。
今回の宇都宮の廃止は県側の無責任や、北関東におかれてる公営競技の情勢、さらには知事選を睨んでの政治的な理由もあるかと思います。
まもなく、栃木県では知事選が行なわれる。福田知事は知事選の前に宇都宮競馬を廃止させちまおうという考えもあったのではないか。「自分がいるうちに決断を出しちまおう。自分が敗れて、後任が存続を表明したら、自分の立場が・・・・」という気持ちもあったのだろう。
同じ栃木でも足利とは廃止に至った経緯とかは180度違うと思いますし、むしろこれは高崎と上山を足して割る2にしたような物。
ただ、今の北関東の公営競技にも宇都宮競馬と同じような所もありますし、かなり複数の要因が複雑に絡まって、今回の廃止に至ったと思います。
競馬ファンである自分としては、県側に多数の問題はあると思うが、この状況を考えると・・・・・結局、この廃止が妥当か妥当ではないかは自分では簡単に結論が出ないと思います。
県側にも、無責任な姿勢や政治的理由などで競馬ファンはこちらの方ばかり見ると思うが、しかし、赤字の額や北関東の他の公営競技の現状、高崎の廃止における今後の北関東競馬の事などを見ると、県側にも怒りたいけれど・・・・・
もし、存続していたとしても・・・・・・・・・・・どっちにしても、北関東競馬の余命はもう無かったと思います。
せめて、高知方式くらいは導入について議論して欲しかったという思いはあります・・・・・
これを機に他の競馬場が後追いしない事を祈りたいです・・・・・

追記)旧足利競馬場で今は場外馬券売り場となっている足利場外馬券発売場について、廃止もとの事です。
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/041021/news_14.html
これから県との協議で決めるとの事ですが、行方が気になりますが、offt足利にならないかなと・・・・
あと、同じ下野新聞の雷鳴妙にも競馬の事が取り上げられてました。これには競馬廃止に対する悲哀が書かれております。
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/colum04/041021c.html