曲名:オーバー


力士は体重オーバー
僕は20オーバー


20過ぎて僕はもう迷った
これでどこまで?夢に見た遠い場所まで
新しい物なんてなかったこの部屋にも
知らない力士が増えていった


ひとつ目の星なら目をつむっても覚えてる
張りきって頭を相手にぶつかって僕は泣いた


どんな言葉をかけても彼は悩んだままで歩き続けてた
両国が夕日に包まれてた 立ちすくんだその影をオーバー


三十路過ぎて僕はやっと気付いた
暗闇の中 眠たげに目をこすって
まあどうぞこちらに来て振り返ってごらん
星の数だけ増えたものを


変わり果ててしまって自分ひとりが残される
それは誇らしいことだと思って僕はまた言った


力士は体重オーバー
僕は30オーバー


ドルジ破って声上げて 明日は乗っている白鵬
その先にもずっと続いていくよ 光に照らし出された人生 

この企画の折り返しとなる6曲目はCLANNADから「オーバー」の替え歌です。
アニメ18話のテニスコートの場面での挿入歌として使われたナンバーですが、正直、この企画で一番難産だったのがこの曲でした。
何しろ、歌いにくい上、歌詞が作りにくく、特にAメロの歌詞を決めるまで3日ほど掛かったほど。
テーマ自体は作ってる最中に決めましたが、それに合わせるのも物凄く大変だったためこんなに時間が掛かりました。
内容は「20過ぎた力士が今の自分の実力から相撲人生に迷い、30過ぎた時にやっと自分の人生が良い方向に進んでいるのに気付く」という物です。
最初の時点では幕内ではなく、幕下以下にいる力士をイメージしましたが、最近はかなり若いうちに幕内に上がるのも多いため、主人公の力士が迷われた理由のひとつでもあると思います。
しかし、それから数年経って自分も幕内に上がり、自分が良い方向に進んでいるのを気付き、迷いが無くなった時、かつて部屋にいた兄弟子たちがいなくなり、自分だけが現役を続けている事に対しても、「誇らしい」と言っています。
歌詞もそれ以降は内容が明るくなり、最後では横綱を倒し、そしてこの先も明るく照らし出された相撲人生が続いてゆくという事で曲は終わります。
今、活躍している力士でも同じように自分の相撲人生に悩まれた人も多いと思います。そんな悩みの部分が上手く書けていたらいいなと思っています。