数々の名馬を送り出して来た青雲賞がハイセイコー記念に改称されたのが2001年。
それから今年セルサスが優勝するまで10回行われて来たが、青雲賞時代より明らかに勝ち馬が活躍しなくなっている。
90年代はフジノリニアー(90東京3歳優駿牝馬)、ナイキゴージャス(92グランドチャンピオン2000、東京盃)、ブルーファミリー(93羽田盃東京王冠賞など重賞4勝)、ジョージタイセイ(95東京ダービーなど重賞4勝)、セイントサブリナ(96東京3歳優駿牝馬)、ゴールドヘッド(98羽田盃、99マイルグランプリ、グランドチャンピオン2000など重賞7勝)を輩出して来たが、2000年代に入ってからはどうか。
まだ青雲賞だった2000年も含めてハイセイコー記念ここ10年の上位馬のその後を見てみよう。

<2000年>
1着:レオボストン(鷹見 浩)
京浜盃(5着)、スーパーチャンピオンシップ(10着)の2戦を走っただけで引退。通算成績7戦5勝


2着:ミツルトップワン(的場文男
→重賞勝ちは無いが、準重賞の01ゴールデンステッキ賞を含め5勝挙げ、最終格付けは南関東A3。3冠は全て出走し、東京王冠賞4着が最高。川崎記念にも出走している(8着)。通算成績53戦7勝。


3着:メイショウアーム(内田博幸
→勝利は準重賞の03スパーキングナイトチャレンジだけだが、ジャパンダートダービートーシンブリザードの2着に入るなど堅実に活躍。最終格付けは南関東A2。通算成績42戦3勝。


<2001年>
1着:スオウリージェント(森下 博)
南関東では以降は大敗続き、2003年に佐賀に移籍するもこちらでも大敗が続いた。3歳三冠は羽田盃東京ダービーに出走するもいずれもシンガリ負け。通算成績47戦5勝。


2着:ジェネスアリダー桑島孝春
→次走の鎌倉記念で重賞初勝利。東京ダービーで2着に入るなどクラシックで全部掲示板に載った後、戸塚記念で重賞2勝目を挙げる。以降もオープンで活躍するも2006年の金盃で競走中止。そのまま引退となった。通算成績41戦5勝。


3着:ブルーシーズ内田博幸
→その後3歳特別を2戦するも、6着、9着と敗れ2002年夏に引退した。通算成績7戦1勝。
この年は他にウエノマルクン(10着)も出走していた。


<2002年>
1着:スオウライデン(森下 博)
南関東では以降は6着が最高と大敗が続き、2006年に佐賀に移籍。佐賀ではC2戦とC1特設で7勝挙げるも2008年1月に引退した。通算成績46戦9勝。なお、クラシックは羽田盃に出走するもシンガリに敗れている。


2着:ベルモントソレイユ石崎隆之
→重賞は04テレビ埼玉杯の1勝だけだが、重賞で常に上位争いを演じていたが、2007年のスパーキングサマーカップで故障を発生し競走中止。そのまま引退した。通算成績44戦7勝。三冠は羽田盃のみ出走し、8着に敗れている。


3着:グリンゼファー(桑島孝春
→2走後の平和賞で重賞勝利。その後の全日本2歳優駿でもユートピアの5着と健闘したが、翌年3月のしらさぎ賞(6着)を最後に引退。通算成績11戦4勝
この年は他にナイキゲルマン(5着)も出走していた。


<2003年>
1着:シルクビート的場文男
→3歳に入ってからの2戦は3着が続くも以降は掲示板近くの着順が多くなり、A3特別を1勝しただけで2005年11月を最後に引退した。最終格付けは南関東A3。通算成績20戦4勝。


2着:エーピーライデン(石崎隆之
→ブルーバードカップで2着に入り、羽田盃にも出走するも東京湾カップ後に2年以上に及ぶ長期休養に入り、休養明け初戦のB2特別を勝つも、その後2戦して引退した。最終格付けは南関東B2。通算成績13戦4勝。


3着:カーリ(今野忠成
→重賞出走はその後のこのレースとブルーバードカップ(5着)のみ。以降は条件戦で堅実に走り、C1特別を勝利するも2005年11月を最後に引退。最終格付けは南関東B3。通算成績14戦2勝。
この年は他にキョウエイプライド(4着)、モエレトレジャー(5着)も出走していた


<2004年>
1着:トウケイファイヤー(有年 淳)
→これ以降は未勝利も羽田盃黒潮盃で2着に入るなど2007年6月に引退するまでオープンで長らく活躍した。3歳三冠は羽田盃(7着)と東京ダービー(8着)に出走している。通算成績26戦5勝。


2着:ハリケーンストーム(内田博幸
→以降は特別戦と準重賞を中心に使われるも掲示板前後の着順が続き、京浜盃競走中止して引退した。通算成績10戦1勝。全日本2歳優駿にも出走している(10着)。


3着:ガイアヘッド(的場文男
→重賞では羽田盃(9着)、東京ダービー(12着)も含め4回出走するもいずれも大敗。条件戦では2勝挙げるなど堅実に走り、2006年12月にJRA美浦に移籍し、JRAでも2勝挙げ準オープンまで登りつめた。通算成績45戦6勝(うち地方32戦4勝、JRA13戦2勝(うち障害4戦未勝利))


<2005年>
1着:アタゴハヤブサ的場文男
→3歳三冠は羽田盃(9着)と東京ダービー(16着)に出るもいずれも大敗。他のレースでも大敗が続いていたが、2007年3月にJRA美浦に移籍。オープン特別、1000万特別、障害未勝利戦と11戦したが7着が最高で金沢に移籍。金沢ではC級で5戦して2勝2着3回とオール連対を果たしていたが、2009年9月のレースを最後に引退した。通算成績27戦7勝。


2着:グッドストーン(石崎 駿)
京浜盃羽田盃で2着に入るも、南関東では勝てずに2008年夏に名古屋に移籍。名古屋でオープン特別を勝利したが、その年の冬に岩手に移籍。以降はオープン戦を勝利し、重賞にも度々顔出すも2009年11月に引退した。通算成績43戦7勝。なお、東京ダービーにも出走し、3番人気に支持されるも8着に敗れている。


3着:キングトルネード(酒井 忍)
→次走の全日本2歳優駿で4着に健闘。さらに次走の雲取賞で準重賞を勝ち、3歳三冠の有力候補になるも羽田盃は5着、東京ダービー6着、ジャパンダートダービー11着と敗れ、以降は大師オープン2着に入るも未勝利で引退した。通算成績16戦4勝。


<2006年>
1着:ロイヤルボス内田博幸
→以降もオープンで堅実に走り、2009年にはマイルグランプリを勝ち、ハイセイコー記念以来久々に勝利を挙げた。今年11月にもオープンの準重賞を勝利している。ここまでの通算成績は33戦7勝。


2着:ザマローレル石崎隆之
全日本2歳優駿(8着)後に挑んだニューイヤーカップで2着。その後の準重賞の雲取賞を快勝するも、京浜盃4着後に休養に入り3歳三冠は出走せず。以降もA2・A3クラスで現役を続けているが、2009年11月以降出走していない。ここまでの通算成績は27戦4勝。


3着:レッドドラゴン坂井英光
→翌年にニューイヤーカップを勝ち、坂井英光に初めての重賞勝ちをプレゼント。3歳三冠は羽田盃4着、東京ダービー6着に入っている。勝利は準重賞の07メトロポリタンノベンバーカップのみだが、オープンで堅実に活躍。2009年の大井記念5着を最後に引退した。通算成績24戦5勝。


<2007年>
1着:ヴァイタルシーズ(酒井 忍)
→現在もオープンで現役を続け、2勝挙げたほか、重賞で度々馬券に絡んでは波乱を演出している。三冠は東京ダービーに出走しているが12着に敗れている。ここまでの通算成績は39戦6勝。


2着:コラボスフィーダ左海誠二
→以降は未勝利も掲示板を外さしておらず、3歳三冠は羽田盃4着、東京ダービーとジャパンダービーで3着に入り将来が有望されたが、ジャパンダートダービー以降ずっと休養している。2年半走っていないが、現在も登録は抹消されていない。ここまでの通算成績9戦2勝。


3着:ニックバニヤン的場文男
全日本2歳優駿5着、雲取賞4着と走った後の京浜盃で10着と大敗。羽田盃は11番人気と大きく人気を落とすも見事に勝利。しかし、以降は大敗が続き、今年8月に北海道に移籍。9月に羽田盃以来の勝利を挙げている。ここまでの通算成績は30戦5勝。
この年は他にリュウノキングダム(12着)も出走していた。


<2008年>
1着:ナイキハイグレード戸崎圭太
全日本2歳優駿でスーニ、ナサニエルに次いでの3着に入り、3歳三冠の有力候補に推され、期待通りに京浜盃羽田盃を快勝し、東京ダービーネフェルメモリーに次いで2番人気に支持され一騎打ちかと思われたが、サイレントスタメンの3着に敗れる。以降は長期休養し、今年2月に復帰し、2戦するも往年の力を出せないまま大敗を続け、現在休養に入っている。ここまでの通算成績は10戦5勝。


2着:シュバレスク(張田 京)
→これ以降は条件戦も含め大敗が続いていたが、今年11月の浦和のB2特別で2年ぶりに連対を果たし、復調の兆しを見せた。ここまでの通算成績は24戦1勝。


3着:ノーステイオー左海誠二
→次走の京浜盃14着後に長期休養に入るが、6月に復帰後は5戦4勝3着1回と全て馬券に絡む成績を挙げており、4勝中3勝が2馬身半以上の差をつけており、A級に上がっても非常に楽しみで将来は重賞制覇の期待も出来る。ここまでの通算成績は10戦6勝。


<2009年>
1着:ショウリュウ的場文男
→以降は大敗が続いており、最高着順は10スターライトカップの4着。8月のB1特別9着の後に休養に入っている。ここまでの通算成績は12戦2勝


2着:ドラゴンキラリ(桑島孝春
→以降は未勝利も重賞でも堅実に走っている、3歳三冠は羽田盃5着、東京ダービージャパンダートダービーは共に7着。ここまでの通算成績は13戦1勝。


3着:マグニフィカ(戸崎圭太
→次走の全日本2歳優駿は11着大敗もその後の東京湾カップを圧勝。東京ダービーは3着に敗れるもジャパンダートダービーで逃げ切りJpn1勝ちを果たす。休み明け初戦となったJBCクラシックは13着と惨敗も久々を使われた事で上積みあれば期待が出来る。ここまでの通算成績は10戦6勝。


<2010年>
1着:セルサス(石崎 駿)
→15日に行われる全日本2歳優駿に出走を予定していたが、直前に左肩ハ行のため出走を断念した。今後は経過を見てから。ここまでの通算成績は4戦3勝。


2着:リュウクン(山田信大
→ここまでの通算成績は5戦2勝。15日の全日本2歳優駿に2枠2番で出走予定。


3着:エースキッド(的場文男
→その後、11月30日の2歳特別に出走したが3/4馬身差の2着に惜敗。ここまでの通算成績は8戦2勝。

こうして調べてみると、優勝馬の中でその後一番活躍したのは羽田盃を制したナイキハイグレードというのは90年代と比べると寂しい感じがします。
名前が変えてしまったのが良くなかったのか、ホッカイドウ競馬出身馬の活躍の影響を受けたのか、とにかく2000年代になってから優勝馬のその後が寂しい事になっています。