フリオーソの追い込み

まさかフリオーソが来るとは思わなかった。
力ではメンバー中トップで南関でこのメンバーでやれたら勝ち負け必至も、遠征実績が良くない事、芝スタートだという事、マイルはやや短い事(これは鞍上のデムーロ騎手も言ってました)など不利な条件が多く、予想では軽視し、そしてスタートして後方から競馬をしているのを見ただけで「これは来ないな」と思ったが、直線で強烈な末脚を繰り出して2着に入るとは、これは全くの予想外でした。
いつものように先行するとは見ていたが、まさか後方から追い込むとは・・・・・


フリオーソが先行しなかったのは今回が初めてではなく、過去にも2回あった。*1
1つ目は2006年の平和賞。この時は控える形で先団の一番後ろ8番手からレースを進め、3コーナー辺りから内を突いて上がって行き、4コーナーで最内から2番手に上がると、直線はキンノライチョウとの叩き合いに持ち込んだが、ハナ差で敗れ、デビュー以来初めての敗戦を喫する。
この時は上がり38秒4とメンバー中最速の脚を使うも、食い下がるキンノライチョウを最後まで交わす事ができなかった。(ちなみにキンノライチョウの上がりは39秒1)
2つめは2008年の東京大賞典
この時は昨年の覇者ヴァーミリアンを見る形でレースを進め、道中もしっかりとマークしていたため中団の後ろ6番手から進める。
3コーナーでヴァーミリアンが動き始めるも、フリオーソが動きが鈍く、4コーナーで8番手まで下がってしまい、直線でメンバー中3位の上がり35秒6の脚を使うも、前の3頭、カネヒキリヴァーミリアンからは1秒離されての5着。
最後はブルーコンコルドに半馬身差まで詰め寄ったが、それでもいい脚を使ったようには見えなかった。*2
しかし、今回のフェブラリーステークスは馬群の固まりの後ろ12〜14番手外からレースを進め、4コーナーでもまだ後方、直線でも大外に持ち出すもやや伸びを欠くように見えた。
しかし、残り200過ぎで加速し始めると、残り100付近でさらに加速し、最後は2番手粘っていたバーディバーディを交わして2着に入った。
上がり35秒7はメンバー中最速。フリオーソ自身にとっては上の東京大賞典に次いで自己2番目の上がり脚を出している。
今回の競馬で追い込みというフリオーソにとって新たな一面が出来たと思うが、しかし、今回はメンバーに恵まれたのが大きいと思う。
これがメンバーが揃ったレースで同じ事をやったとしても先行した時よりも連あるいは馬券圏内を外す可能性が高くなる。
そうなると、新味が出たとは言え、先行してもメンバー中上位の上がりを出せるだけに今後もいつも通りに先行させた方がいいと思う。


今回のこの2着でNARグランプリ4度目の年度代表馬になる可能性が早くも高くなったと思う。
今の地方勢にフリオーソに次ぐ存在がいない上にJRAのG1で2着になったのは価値的にもかなり大きいと思う。
あとはこの後の2歳あるいは3歳でJpn1(G1)を勝つ馬が出ない限りはフリオーソがJpn1(G1)未勝利だったとしても受賞する可能性が高いと思います。
フリオーソは今年で7歳、年齢としては競走馬のピークを過ぎているだけにこの先どこまでやれるか。

*1:2007年の東京ダービー(2着)は道中は逃げるマンハッタンバーから約8〜9馬身差の7番手からレースを進めていたが、レース内容から先行していると見てカウントには入れませんでした。

*2:実際は上がり35秒6と自己最高の上がり脚を見せている。ただし、4着のブルーコンコルドも上がりは同じだった