U駿1月号に宇都宮のミスターピンクこと内田利雄騎手の3000勝達成のインタビューが掲載されていますが、その中で内田騎手は騎手のフリー制度の導入を目指したいという事を言っている。
これはどこの競馬場にも属さずに、どこでも乗れる様にしたいとの事。
地方競馬の騎手免許は一応は全国免許になっているが、しかし、実際は各ブロックに区切られていて、限定免許に近い。
騎手免許の事については今回の内田利雄騎手と同じように、笠松に在籍していた頃の安藤勝己騎手や浜口楠彦騎手らも地方競馬の騎手免許の事について疑問を言っている。地方競馬の騎手の中にも同じように疑問を抱いているのも少なくは無いと思う。
では、何で全国免許のはずなのに、限定免許みたいになっているのか。
記事の中では「各ブロックの決め事であり、地方競馬全国協会の決め事」だと言っているが、おそらくフリー免許にしていると、地区によって騎手の格差が出てしまうのではないかと危惧しているのではないかと思う。
同じ地方競馬でも地区によって格差が激しく、大井競馬で1着賞金が最低で130万円に対し、高知競馬では10万円と最高で13倍の格差が出ている。
各競馬場の最低賞金を調べると

・道営 20万円(2歳未勝利戦、サラD−4戦など)
・盛岡 30万円
・水沢 18万円
・宇都宮 17万円
南関東 100万円*1
・金沢  20万円
・名古屋 21万円
笠松  18万円
・園田・姫路 38万円 
・福山  30万円
・高知  10万円
・佐賀  18万円
・荒尾  15万円 

となっている。どこも競馬場の経営が厳しい成果、10万円台の所が多く、南関東と比べても既に5倍以上の格差が出ている。
さらに園田と比べても2倍の差が出ているし、高知に至っては既に4倍近くの差が出ている。
そうなると、みんな賞金の高い所に集まって、偏った所に騎手が集まるようになり、騎手の育成に支障が出たり、また場所によっては騎手の数が少なくなるために面白いレースが作れなくなるという事を危惧しているため、全国免許にせずに、各地区ごとにしているのではないかと思う。
だが、中央競馬美浦栗東の2つに所属していながら、全国で騎乗できるようになっているし、競輪や競艇にしても各地区に所属していながらも、斡旋とかはあるが、全国で走れるようになっている。
地方競馬の場合、一応遠征馬や騎手招待のイベント、主催者からの要請とかが無い限りは他地区では乗れないようになっている状態だ。他の競技と比べても一歩遅れてる感がある。
しかし、ようやく地方競馬全国協会の方でも騎手免許の一本化の動きも出ているようだ。
そうなると、内田利雄騎手のように、どこにも所属せずにフリーで乗れる騎手も出てくるかもしれない。
競馬場の廃止によって、多くの騎手が移籍できずに引退に追い込まれている状況になりつつある。
内田利雄騎手の所属する宇都宮競馬も3月限りで廃止となる。そこには5人もの2000勝ジョッキーがいる。
経営危機の笠松にも名手が揃っている。地方競馬の廃止が相次いでいる今、騎手の救済のためにも
フリー制度を取り入れる時期に入っているのかもしれない。
移住や騎手の育成などの問題もあるかもしれないが、導入できるなら一日でも早く導入できればと思っています。
個人的には全員がフリーにするのもどうかと思うんで、ある程度条件を満たした騎手((例)1000勝以上挙げたジョッキーとか)のみにフリー制度を与えるのはどうでしょうかと思います。

*1:浦和・船橋・川崎開催での賞金。大井は130万円