かなり遅れましたが、14日の宇都宮のレポートを書きます。
前日は帰ってから、げんしけん見てすぐ寝た後、オヤジが家を出た後にすぐに出発。
実はこの日宇都宮に行くのを阻む最大の壁がこのオヤジだったりする。
一応有給は取りましたが、居間にいる時に仕事場に行かないような格好で行くと、何か言われそうで、邪魔されそうだったから。でも、無事に出発が出来てホッとする。
格好は上以外は昨日と同じで、朝は寒いのでジャンパーを着て、帽子を被って出発。
いつものルートで西川田に向かうが、いつもと違い朝のラッシュの真っ只中。
日比谷線の中では眠気の酷い中、霞ヶ関まで立ちぱなし。
北千住に着き21分発の快速に乗るが、どうも明らかにうち以外にも宇都宮競馬に行く人がかなり乗っていた。
NARのHPからプリントアウトした出走表を見たりしている者や、ひたすら競馬話している者、JRAマークシートを持ってきている者など、西川田に着くまで様々な人を見た。
いつものように10時10分過ぎに西川田に到着。行き慣れた道で宇都宮競馬場に向かうが、歩いている途中で何か急に切なくなった。
「この道を歩くのも今日が最後なんだな・・・・・・」と。
宇都宮競馬場はこの日は入場無料で、先着3000人に配られるキーホルダーを貰って310円の席に入る。
宇都宮競馬はおととしの12月と去年の5月と12月、そして今年の2月に2回と3月の2回の合計7回来場した。さらに宇都宮競馬場に来場しなくても、ふるさとコーナーで馬券を買っていたりしていたから、結構慣れ親しんだ競馬場だった・・・・・・・
この競馬場のレースを見るのも今日で最後・・・・・・レースが終わるたびにそう呟いていた。
この日はいつもよりも多く馬券をつぎ込んで勝負するが、所が全然馬券が当たらない。
序盤に2連敗。3レースはブルームウェークとミスフサイチのワイドで当てるがトリガミ・・・・
レースを見てから売店に行き、餃子を3人前頼む。今日で宇都宮競馬場で餃子を食べるのも最後。
競馬場で食べた餃子の中でも美味い方だったからな・・・・ここの餃子は・・・・・・これが食えないとなると・・・・・・そう名残を惜しみつつ餃子を食べる。
続く4レースは人気薄のピンク(内田利雄)が来てハズレ。そして5レースはモエレマトリックスとモエレバクシンオーが抜けてると見て、3連複で勝負し、3連複2670円を当てる。ようやく精神的に余裕が出た。
ここからは特別戦に入る。6レースは宇都宮競馬場の所在している西川田の地名から取った西川田賞。このレースの本馬場入場から実況の大川アナの特別レース名の由来も交えての紹介が始まる。
レースはゲットザグローリー、ブラックエンペラーなど5点買いするも、タテ目になりハズレ。
次ぐ7レースは宇都宮の華麗なる一族ベラミスキー特別。このレースの本馬場入場の際にもベラミスキーの紹介がされたが、この中で「ここまでベラミスキー産駒は99勝を挙げており、あと1つで100勝となります」と大川アナが紹介していた。
前日の北関東弥生賞レッドジャスパーが出ていたが、もしこれが勝っていれば・・・・・・
このアナウンスを聴いて、「そういや、イヴニングスキーが今週あたり出そうだから、これで達成するかな」と思いました。(その通りに明日高知6レースに出走)
このレースの前、一旦下に下りて売店の方に向かうと、売店から耳目社の名物アナである及川サトルアナと吉岡牧子さんとたんぱの渡辺アナらしき人物がご飯を持ちながら歩いていくのを目撃しました。
そういや、ここ宇都宮はかつて耳目社が担当していたから、それで来ていたのかなぁと思いました。
6レース・7レースはその耳目社の元アナでもあり、「ありがとー」で知られる宇都宮名物である藤弘一アナが実況してました。この時、ラストも藤アナが実況するのかなと思いました。
その7レースは2着・3着で外す。
8レースはスーパースタージョッキーカップ。宇都宮競馬が誇る名手6人に初日に行なわれたチャレンジジョッキーズカップの上位5騎手との勝負。
ここから実況は大川アナに戻り、本馬場入場ではジョッキーのプロフィールなどを紹介。
レース実況でも馬と共に騎手の名前も実況。
レースは人気の平沢則雄騎手のデスピーナが優勝し、2500勝ジョッキーの意地を見せる。(馬券は穴狙いで勝負し、ハズレ・・・・・)
そしていよいよラスト2レース。9レースはキングオブスパーク賞。
宇都宮名物だった800メートル戦のスパーク賞の王者を決める一戦。
このレースはマナ、コレクトアンサーが人気を分け合う形に。
自分はこの2頭にスパーク賞巧者のムテキノホシ、ファイトエルフ、ファンキーメイの馬複BOXとコレクトアンサーとマナからの3連複流し、マナからの馬単1着流しで勝負。
そしてレースはスタートでムテキノホシが出遅れ、コレクトアンサーとファイトエルフが先頭に。
結局この2頭で決まり、マナは後方から追い上げるも5着に敗れ、馬券は当てるも、意外と配当は低く・・・・・・

3月14日

宇都宮9レース キングオブスパーク賞(サラB3以下選定馬) 800メートル・やや重

1着:△⑨ファイトエルフ     (藤江 渉)   49秒8
父:タイキシャーロック 母:カントウシスター 母の父:リキアイオー
宇都宮・青木秀之厩舎所属・牡4・通算成績:25戦7勝(キングオブスパーク賞、04青峰賞2着、05太平記特別3着)
2着:◎③コレクトアンサー    (早川順一)    3/4
3着:△⑧ファンキーメイ     (水野貴史)    3/4
4着: ②ムラテツモーリ     (野沢憲彦)    3/4
5着:○④マナ          (山口竜一)  1 1/2
以下:トキノリボン、セイエイスタホス、▲ムテキノホシ、ボールドシュウホウ、ブロンドフェアリー


単勝  9   450円 複勝 9 170円 ワイド 3−9 270円
枠複 3−8  640円    3 150円     8−9 870円
馬複 3−9  530円    8 520円     3−8 940円
馬単 9−3 1310円
3連複 3−8−9  3120円
3連単 9−3−8 11720円 

そしていよいよラストとなる平成16年度とちぎ大賞典を迎える事となった。
こんな時は来て欲しくなかった・・・・・しかし、時間の流れは止められない・・・・・遂にラストのレースを迎える時が来たのだ。
席を抜け出して、スタンド2階からパドックで馬を見ながらマークシートを塗りつぶす。一応フジエスミリオーネとハイコンプリートからの3連単流しとその2頭にブンブクマーチャンらを加えた4頭を加えての馬単で勝負する。
パドックを眺めてるうちに遂に騎乗する騎手が集まり、馬に騎乗。そして最後のレースへと向かっていった。
カメラのシャッター音が激しく響き渡る中、ヤマニンバリー騎乗の内田利雄騎手は笑顔で馬に誇っていた。
ファンサービスがいいウッチーの事だけど、その笑顔の裏には・・・・・・・・・
各馬が本馬場に出てきて、自分もパドックからコース方面に向かって歩いていると、実況放送室前で1人の男性と1人の若い女性がいた。
男性は藤アナだった。しかし若い女性のほうは誰だろう・・・・・・・
藤アナと何やら会話をしているようだったが、女性の方は涙を流しながら藤アナに話しかけてた。
会話が終わると、藤アナは2100円特観席のある方へと歩いていった。一体何の会話をしていたのだろうか。
宇都宮競馬の思い出だろうか・・・・・・
その光景を見て、さらに「あぁ、これでもう終わりなんだな」とさらに切なくなった・・・・・
その切ない気持ちを引きずりながら、もう一度パドックへと向かった。
まだパドックの前には沢山の人がいた。しかし、もうこのパドックに2度と馬が歩くことは無い。
パドックを清掃している清掃員の姿を見て・・・・・・・・・・


時は過ぎていって、ついに締め切りの時を迎えた。
自分はゴールからやや離れた所の椅子のある所で観戦。ここだと特観席にあるテレビが見れるからだ。
いつものように馬が天へと駆け上がり、10Rの表示が出たが、ここからはいつもと違い、何かの映像が流れたが、どういう映像かはちょっと分からなかった。(騎手の写真とかが出ていたのは確認出来ましたが・・・・・・)
そして、大川アナの実況が始まる。
スターターが上がり、「いよいよ宇都宮競馬、70年の歴史を締めくくる最後のレースです。どうぞしっかり、その姿を目に焼き付けてください、そして流れる最後のファンファーレ、耳に焼き付けてください」の声と共に北関東G1のファンファーレが流れた。
宇都宮競馬最後のレースとなるファンファーレだ。ファンファーレが終わった後に大きな拍手が沸いた。
枠入りが進んで、遂に最後のレースのゲートが開かれた。
まずは果敢にトウショウゼウスがハナを奪った。宇都宮の顔として人気のあった1頭だった。これが単騎先頭で、次いで宇都宮の怪物ハイコンプリート、シルバーギャロップと続いて、スタンド前に入る。
思えば1年半前、上山のラストの時、各馬がスタンド前に来た時、実況の興那覇アナが
「もう2度とこの上山で馬たちを走る姿を見ることはありません。永遠の別れです。つらい、つらい樹氷賞になりました。無念の思いと、そして勝利への執念を胸にラストラン」の実況を思い出した。この実況を聴いて、その日行った上山はおろか全国競馬便りでこのレースを見た時に泣いた事がある。
各馬がスタンド前に入って来た時にこの興那覇アナの悲しみの実況を思い出した。
ゴール板を各馬が通過する。あと1周でレースが終わる・・・・・・・・・
大川アナの実況のように各馬の動きを双眼鏡で追いながら、じっくりと焼き付ける。
そして向こう正面でレースは動き、ハイコンプリートが一気に抜け出し、リードを広げた。そして4コーナーでフジエスも外を外を持ち出してやってきた。
直線に入り、ハイコンプリートがリードを広げた所へ、外からフジエスミリオーネ、さらにヤマニンバリーも襲い掛かり、そしてフジエス先頭。2番手はハイコンプリート粘る所に、最後ヤマニンバリーが交わす。宇都宮の最後を飾ったのは北関東最後の三冠馬フジエスミリオーネだった。そして拍手に迎えながら最後のゴールを駆け抜けたのは逃げたトウショウゼウスだった。

3月14日
宇都宮10レース 平成16年度とちぎ大賞典(北関東G1) 2000メートル・やや重

1着:◎③フジエスミリオーネ    (平沢則雄)   2分15秒7
父:エイシンサンディ 母:ニシノフジエス 母の父:パレスダンサー
宇都宮・仁岸進厩舎所属・牡4・通算成績:26戦12勝(うち中央2戦未勝利・04北関東3冠、平成16年度とちぎ大賞典、04北関東弥生賞、03サンライズカップ、05春光賞など重賞9勝)
2着:△⑧レザーネック       (内田利雄)    1 1/2
3着:○⑥ハイコンプリート     (鈴木 正)      3
4着:☆⑦ブンブクマーチャン    (早川順一)      3
5着:△⑨レザーネック       (山口竜一)     1/2
以下:シルバーギャロップ、▲コウエイシャープ、サンエムグレン、ロイヤルサンサン、タイガーダンサー、トウショウゼウス


単勝  3  150円 複勝 3 100円 ワイド 3−8 230円
枠複 3−7 490円    8 150円     3−6 150円
馬複 3−8 590円    6 120円     6−8 410円
馬単 3−8 690円
3連複 3−6−8  460円
3連単 3−8−6 2060円

これで何もかもが終わった・・・・・宇都宮のレースは全て終了した。
払戻しの列に並ぶが、あまりの人にどこで列が出来ているのか分からなくなるほどで、まるで朝のラッシュ時の満員電車のように人が溢れていた。
何しろ堅い決着だから。しかも配当金が表示されて、3連単で2000円台だから、隣のオヤジと配当を見て、苦笑いをしていた。「安すぎるよー」と。
考えてみれば上位5位は宇都宮が誇る2000勝ジョッキーで独占。正に名手の宝庫であった宇都宮を彷彿させるような決着だった。
表彰式では藤アナが司会を務めるが、涙で原稿が見えないというほど、フジエスミリオーネの発音が言えなかった。
壇上に上がった平澤騎手や関係者に対して、沢山の拍手と声援が夕暮れ時の宇都宮競馬場に響いていた。
そして最後は藤アナの名ゼリフ「ありがとーーーー」の叫びで、表彰式が終了。しかし、これも聞けなくなるのか・・・・・・・
次いで閉場セレモニーとなり、まず県知事の挨拶があった。県知事の挨拶にヤジが響いていたが、上山ほどはヤジは酷くなかった。
こっちも言いたい事は色々あるが・・・・・・・・
次いで騎手全員からの挨拶。内田利雄騎手、平沢則雄騎手ら所属する全騎手が壇上に上がり、小野三夫騎手会長から別れの挨拶を述べた。
この時、ジョッキーの顔を見て、目に涙を浮かべているジョッキーの姿が見受けられた。
花束が投げられた後に、宇都宮競馬場の馬場の解放を告げる案内があり、自分も入り口へと向かい、少し前のポジションから馬場に入場した。
自分は馬場を早歩きして、山田博美騎手の所に向かい、帽子を貰うが、もうプレゼントの時にはバーゲンセールのような状況だったという事は書いておく。
結構馬券面で色々儲けさせてもらった山田ジョッキーのサインをもらい、次いで内田利雄騎手、早川順一騎手、鈴木正騎手、野沢憲彦騎手らのサインを新聞や貰った帽子に書いてもらう。
早川順一騎手にサインを貰う時、ブンブクマーチャンの単勝馬券にサインを求める人が多く、早川騎手自身もやや驚いていました。
何しろ118戦、小柄な馬体ながら、最後までクラスに落とさずに最下級からオープンまで上りつめた「努力の女」。
最後のレースも後方からレースを進め、勝ちには至らなかったが、直線鋭い脚でレザーネックを交わし、4着でフィニッシュ。これがラストランとなり、今後は生まれ故郷である北海道に帰り、お母さんになるとの事です。
近親にマイネルの活躍馬が多くいる事から、お母さんが勝てなかった中央での勝利、そして重賞制覇の夢を叶えてくれる産駒が出てくる事を期待しましょう。
いくらかの騎手からサインを貰ったり、「ガンバレ」と声を掛けたりしているうちにあっという間に時間は過ぎて行って、閉場の時間が迫ってきた。
騎手もほとんどが引き上げ、馬場にいる人たちも少なくなっていた。
最後に帰る前にゲートのある所から、ゴールまで思いっきりダッシュで走って行った。最後の宇都宮での思い出として・・・・・・
そして再びゲートの前に行き、出口に向かおうとした時に急に喪失感や空虚感を感じた。
やっぱり慣れ親しんだ競馬場が無くなると言うことに・・・・・・・


係員の人に「お疲れ様でした」と声を掛けた後、宇都宮行きのバスに乗り込むが、もう満杯状態でかろうじて一番前に乗り込むことが出来た。
17時50分にバスは出発。この時、もう日が暮れ、太陽はほとんど沈みかけてた。まるで宇都宮競馬を象徴するかのように・・・・・・・・
バスは出て、もう2度と来る事の無い競馬場を後にし、宇都宮駅へと向かった。
そして途中のバス停で降り、食らっせで餃子を食べ、パルコの紀伊國屋書店で買いたい本を探すが、見つからず、駅前の八重洲ブックセンターにも向かうが、ここでも見つからず、最後の最後にして消化不良のまま宇都宮を後にした。



宇都宮競馬の灯は消えてしまった。ジョッキーの移籍状況も佐賀に移籍が決まった品田真樹騎手以外はまだ全員が未定のままだ。
ただ、噂で藤江渉騎手、森泰斗騎手が南関東に移るらしいとの事。若手でその上腕もある2人の事ですから、南関東に行っても、通用はするかと思います。噂どおりになってもらいたいです。
内田騎手はフリーを目指すようですが、これも実現してほしいです。もちろん他の騎手も1人でも多く移籍できればと思っています。
馬についてはフジエスミリオーネ船橋か川崎に移籍予定。ウイニングマミーレッドジャスパー、ヤマニンバリーが浦和に移籍。コウエイシャープが金沢、ミホノコトブキが道営に移籍。ブンブクマーチャンは先に書いたとおり繁殖入りの模様だ
ただまだ4割程度が今後が決まっていないようで、どうなる事か。高崎では大量の馬が処分されたが、それに比べればまだ・・・・・・・・・
それでも競走馬の宿命には逆らえないのも多く出そうです・・・・・・・・
最後の日から5日が経った。まだあの日の興奮が冷め切っていない。
これで北関東から競馬の灯が消えてしまったが、しかし、明日新高崎で第2回の模擬レースが行われるという。
今回は都内からもバスが運行されるとの事だ。果たして新高崎で再び北関東に競馬の灯が戻ってくるのか。
また、高崎競馬場跡地がJRA地方競馬場外発売所としてリニューアルオープンすることとなった。
http://www.nrsnet.co.jp/takasaki.html
これで北関東で競馬を再び楽しむことが出来るようになったが、しかし、依然地方競馬を取り巻く状況に厳しい事に変わりが無い。
廃止危機の競馬場だけでも北海道・岩手・笠松・金沢・福山・高知などがある。
また年が暮れていくにつれ、廃止の話題が出てくるのか・・・・・・・
一体いつまでこのドミノ倒しは続いていくのか。
宇都宮にしても、あと5年、今のようになっていたら・・・・・・
最後に最後の最後まで明るく盛り上げてくれたU駿の皆さんに感謝したいです。
本当に沢山の話題やイベントをありがとうございました。
他の競馬場でもU駿みたいな人たちがいれば少しは・・・・・・・・