6億円馬誕生など話題尽くしで大盛況だった3日間のセレクトセールが昨日で終了した。
キングカメハメハ×トゥザヴィクトリーの6億円馬やフレンチデピュティ×ブルーアヴェニューの3億円馬が誕生するなど1億円を超えて落札した馬が14頭も出た。
そこで過去に高額で取引された馬がその後どういう成績を挙げて行ったか調べて見ました。

・第1位・・・・トゥザヴィクトリーの2006(牝)
取引価格:6億円
父:キングカメハメハ(現役時代は04日本ダービー(GI)、04NHKマイルカップ(GI)など重賞4勝含む8戦7勝。半兄に00サンタアニタダービー(GI)馬ザ・デピュティ)
母:トゥザヴィクトリー(現役時代は01エリザベス女王杯(GI)、00阪神牝馬特別など重賞4勝含む21戦6勝。01ドバイワールドカップ(GI)で2着に入った実績あり。これまでクロフネとの仔が2頭出ている)
母の父:サンデーサイレンス
購入者:グローブエクワインマネージメント(有)
代表の多田信尊氏は藤沢厩舎のレーシングマネージャーを務め、複数の馬主がこの馬を所有する模様


・第2位・・・・エアグルーヴの2004(牡)
取引価格:4億9000万円
父:ダンスインザダーク
母:エアグルーヴ(現役時代は女傑として97天皇賞(秋)(GI)、96オークス(GI)制すなど19戦9勝の成績を挙げ繁殖入り。繁殖入りしてからも03・04エリザベス女王杯(GI)勝ちのアドマイヤグルーヴを輩出。祖母は83オークスダイナカール。近親にオレハマッテルゼ、エガオヲミセテフラムドパシオンなど)
母の父:トニービン
オーナーはおなじみ関口房朗


・第3位・・・・サンゼウス(1988年生まれ・牡)
取引価格:3億5000万円
父:トウショウボーイ
母:リキサンサン(現役時代は中央で13戦4勝の成績を挙げ繁殖入り。同馬は2番目の産駒)
母の父:サーアイヴァー
母の母:サンサン(現役時代は牝馬として凱旋門賞を勝つなど重賞2勝含む25戦5勝と大活躍。76年に輸入。繁殖牝馬としても84・85函館記念(GⅢ)勝ちのウインザーノットなどを輩出する。今船橋所属として中央で活躍しているネイティヴハートはサンサンの孫にあたる)
現役時代は8戦2勝、収得賞金2360万円で種牡馬入り。産駒はトウショウゼウス、シバノコトエなど主に地方で活躍しているが産駒合計の収得賞金と合わせても取引価格には及ばない。なお、サンゼウスは昨年をもって種牡馬登録を抹消した


・第4位・・・・トーセンダンス(2002年生まれ・牡)
取引価格:3億3500万円
父:サンデーサイレンス
母:ダンシングキイ(母は未出走も繁殖牝馬として96菊花賞(GI)など重賞3勝含む5勝を挙げ種牡馬としてもツルマルボーイザッツザプレンティデルタブルースなど活躍馬を多数輩出しているダンスインザダーク、95オークス(GI)、96エリザベス女王杯(GI)など重賞3勝含む4勝挙げたダンスパートナー、去年の桜花賞(GI)、今年のヴィクトリアマイル(GI)など重賞3勝含む5勝挙げているダンスインザムードエアダブリンエアギャングスターなどを輩出し
母の父:ニジンスキー
オーナーは「トーセン」の冠名で知られる島川隆哉氏が所有。12着と大敗した未勝利戦を使ったのみで引退。種牡馬入りしている。


・第5位・・・・フサイチジャンク(2003年生まれ・牡)
取引価格:3億3000万円
父:サンデーサイレンス
母:セトフローリアンⅡ(現役時代はオセアニアでG3勝ちを含む5勝挙げ、AJCオークスで2着に入った実績を持ち日本に輸入。初仔のタイガーカフェはここまで3勝を挙げ、02皐月賞(GI)2着、02弥生賞(GⅡ)3着など2億1347万円を稼いでいる)
母の父:べレット
オーナーはおなじみ関口房朗氏。フジテレビ「ジャンクSPORTS」でも取り上げられ話題となり、馬自身もデビューからオープン特別2勝含む4連勝を挙げ、06皐月賞(GI)でも3着に入り、8445万円を稼いでいる。今後どこまで活躍しているか、またどこまで稼いでいけるか楽しみである。


・第6位・・・・カーム(2000年生まれ・牡)
取引価格:3億2000万円
父:サンデーサイレンス
母:フランクアーギュメント(現役時代はフランスで3勝し、GIで2着など重賞で入着を繰り返すなど活躍し、日本に輸入。近親にGI2勝など重賞5勝含む6勝を挙げ種牡馬になったフランクリーパーフェクトがいる。初仔のアドマイヤロードはオープン特別の万葉ステークスなど4勝を挙げた)
母の父:アーギュメント
マイネル岡田繁幸総裁が購入し、デビュー前から期待されるも、デビュー前に右前蹄骨を骨折し、一時はデビューも危ぶまれたが奇跡的に回復しデビューするも、中央では3戦して9着が最高で岩手に移籍。岩手に転入後早速4連勝を挙げ、ラストランとなった05桐花賞まで14勝を挙げ、クラスもC2クラスからA1クラスに上がっていた。今年から青森で種牡馬入り。地方では757万円を稼いだ。


・第7位・・・・ブルーアヴェニューの2006(牡)
取引価格:3億円
父:フレンチデピュティ
母:ブルーアヴェニュー(現役時代はアメリカで20戦5勝の成績を挙げ、アメリカで繁殖入り、後日本に輸入される)
母の父:クラシックゴーゴー
購入者:高橋力
01ジャパンカップダービー(GI)、01NHKマイルカップ(GI)など重賞4勝含む10戦6勝の成績で種牡馬入りし、初年度産駒からフサイチリシャールを輩出したクロフネアメリカで重賞2勝含む5勝を挙げ、ブリーダーズカップジュべナイルフィリーズ(GI)3着などの成績を残したベラベルッチの全弟となる同馬はダーレージャパン代表の高橋力氏が購入。将来は中央入りを目指す模様だが、その前にダーレーにこの馬がデビューする再来年までに馬主認可が下りるだろうか。


・第8位・・・・シアトルサンセットの2004(牡)
取引価格:2億8000万円
父:ゴーンウエスト
母:シアトルサンセット(未出走で繁殖入りし、同馬が初仔となるが、祖母のウィークエンドインシアトルはアメリカで3勝挙げ、CCAオークス(GI)3着、フロリダオークス(GⅢ)3着に入っている。その全兄にエーピーインディプリークネスステークス(GI)、ホープフルステークス(GI)、ペンシルヴァニア・ダービー(GⅡ)など重賞7勝含む20戦13勝の成績を挙げ種牡馬入りしたサマースコールがいる(サマースコールは日本ではアイアムザプリンスが97札幌3歳ステークス(GⅢ)を制している。他にもアサカホマレ、シャープウィット、トーヨーシーザーが活躍した))
母の父:ビロングトゥミー
この馬もオーナーは関口房朗氏で早ければ今年にもデビュー予定。


・第9位・・・・モガミショーウン(1986年生まれ・牡)
取引価格:2億6500万円
父:トウショウボーイ
母:タニノベンチャ(現役時代は3戦1勝の成績で繁殖入りする)
母の父:ヴェンチア
日本馬として初めてジャパンカップ(GI)を勝ち、84宝塚記念(GI)、84毎日王冠(GⅡ)など重賞7勝含む22戦10勝の成績を挙げた名馬カツラギエースの半弟して最上ホースクラブに2億6500万円で取引されるも、現役時代は2着が2回あるのが最高で6戦して未勝利で種牡馬入りするも、種牡馬としてもオークプレインが東海でオープンで活躍した程度で99年に種牡馬引退している。なお、一つ下の妹のラビットボールは93中山牝馬ステークス福島民友カップ2回など中央で22戦9勝、1億8842万円を稼いだ。


・第10位・・・アドマイヤグルーヴ
取引価格:2億3000万円
父:サンデーサイレンス
母:エアグルーヴ
母の父:トニービン
デビュー前から女傑エアグルーヴの初仔として期待され、デビューから3連勝挙げ牝馬クラシックでも全3戦とも1番人気に支持されるも3戦ともスティルインラブに敗れクラシック制覇はならなかった。だが、03ローズステークス(GⅡ)でスティルインラブらを下し初重賞制覇を飾ると、エリザベス女王杯ではスティルインラブとの接戦を制し遂にGI制覇。その後も04マーメイドステークス(GⅢ)と04エリザベス女王杯(GI)を制し、04天皇賞(秋)(GI)ではゼンノロブロイの3着。華やかにラストランを飾った05阪神牝馬ステークス(GⅡ)を最後に現役を引退。収得賞金は5億5133万円と取引価格の倍以上の金額を稼いだ。初年度はクロフネと交配した。

昨日の日刊スポーツなどを資料に出してみましたが、こうして出してみると近年に高額取引された馬が多い事と関口オーナーがいかに競走馬に金を多くつぎ込むかわかるような気がします。
いくら高額で取引されたとはいえ、カームやサンゼウス、モガミショーウンのように大失敗した例もあり、競馬という物は馬券を買う事をギャンブルの例として挙げられているが、今回のセレクトセールの結果を見ると、1億以上の値が付いたのが14頭もおり、競走馬を買う事がさらにギャンブル化しているようにも見えます。