ここでは毎日ハルウララの事を取り上げてきたけど、もう安西美穂子や高知競馬の事は言いたい事を書いたのでいいとして、気になるのは何でこの騒動に白井透が関わっているのか。
白井透といったら、血統評論家で有名で、JRA馬事文化賞も獲った偉人であるが、何でそんな彼が突然高知競馬という小さい競馬場のハルウララに魅せられてしまったのか。
馬券日記 オケラセラの「安西美穂子氏と白井透氏 "強奪"する側の論理」を見ると、HP上でハルウララに関する日記を作り、引退させた後、繁殖牝馬として、トップ種牡馬を配合させ、子孫を繁栄させるとともに、会社を興すという事が書かれてる。
詳しくはリンク先を見て欲しいですが、あまりにも現実味が無いと思います。子孫繁栄と言っても、確かに牝馬を産めば、牧場に帰ってさらに子供を作る事も可能だが、だが、牝馬でも乗馬送りされる馬もいる事だし、子孫繁栄といっても、繁殖牝馬など未勝利馬や未出走馬でもなれるんだから、ハルウララのような馬を産むというリスクも高いのである。
では、何で白井透はハルウララに魅入られてしまったのか。そこにはハルウララの血統があるのではないかと思います。
色んな所ではハルウララは血統は血統がよくないと言われております。確かに近親とかがイマイチなのですから、仕方ない事ですが、さらに遠く見ると、実は意外と良血だったりするのです。
id:yoake:20040317やid:yoake:20040411で書きましたが、ハルウララは「小岩井牝系」とも呼ばれ、日本の名牝の祖となっているビューチフルドリーマーの血を両親から受け継いでいる。
ビューチフルドリーマーの子孫はカブトヤマからシンザンエリモジョージタケホープ、近年ではテイエムオーシャンビューチフルドリーマーの血を受け継ぐ競走馬から次々と名馬が生まれている。
一般の競馬ファンは知らなくても、血統に詳しい白井透がこの事を知っていてもおかしくない。特に両親から名牝ビューチフルドリーマーの血を受け継いでいるから、「ひょっとしたらこの馬は将来、あるいは子孫で日本競馬史に残るような大物を作るかも知れない」と思っているから、ハルウララに魅せられてしまったのかもしれません。
今、現役でビューチフルドリーマーの血を受け継いでいる競走馬はそんなに珍しくないかもしれませんが、それが両親からとなると、これは珍しいと思ったのかもしれません。
もう一つあげるとしたら、サシカタの存在があるかもしれません。
サシカタは昭和24年から27年に渡り、国営競馬で159連敗を喫し、うち115回がシンガリだったというハルウララよりも弱い競走馬であった。
しかし、そんなサシカタも繁殖牝馬になり、孫に園田で重賞2勝挙げたミクニホマレを出し、そしてそのミクニホマレが種牡馬入りし、平成元年にヒカサクィーンという一頭の競走馬を作った。この馬は園田で27勝を挙げ、全国交流の全日本アラブクィーンカップを95・96年と連覇。他に福山の山陽杯や園田金杯、播磨賞など重賞6勝を挙げ、1億7000万も稼ぎ、アラブの賞金女王になったアラブ競馬史に残る名牝を出した。最弱馬の血が半世紀を経て、最強馬の血に変わった瞬間でもあった。なお、このヒカサクィーンはあのケイエスヨシゼンムーンリットガールを破った事がありますが、アラブのため現在ではサラ系になるか、途絶えてしまうかもしれません。
以上の2つの事から、「名牝の血を両親から受け継いでいるハルウララでもサシカタみたいに将来名馬を送り出すに違いない」と思っていることから、血統評論家である白井が魅入れられ、こんな壮大なストーリーを思い描いてしまったのかもしれません。
体が小さくても岡部幸雄騎手の初クラシック制覇となった71年のオークスを384キロの現在でも最軽量クラシック勝ち馬の記録になっているカネヒムロ有馬記念を勝ったカネミノブを出した事や、やはり体が小さかったがテンメイを送り出した名牝トウメイの例もありますし(しかもこの2頭、30、31歳と長生きした。特にカネヒムロは死因が骨折だったため、もっと長生きしていたかもしれない)、体が小さくても負担は大きくなりますが、名馬を出すことは出来ると思います。
しかし、その壮大なストーリーのようになるのはやはり難しい事だと思います。ハクホークインの子供でさえ、南関で下級クラスだったし、必ずしも良血だからっていい馬を出すわけではない。これが子孫になってもだ。
特に最近は馬余りが多い上、競馬場も次々と廃止されてる現状から、たとえハルウララがまたその子孫が子供を産んでも走れず処分される事がありますから、ストーリー通りになるのはほとんど奇跡に近いかと思います。
安西美穂子でもう頭にくる所へ突然著名な白井透が入ってくるもんだから、競馬ファンにも怒りとショックの声が大きいです。
そこまで堕ちてしまったのか・・・・・白井透・・・・・・・
「ファミリー・テーブル」を出して、競馬界の偉人になったのに、こんな事をしたんじゃ・・・・
一体、彼に何があったというのだ・・・・・一体、何が彼を変えたというのか、それは彼自身にしかわからない事だ。
しかし、今回の件で白井の評判が落ちるのは確実で、失望の声が出るのも確実かなと思っています。

血統参考:ハルウララhttp://www.keiba.or.jp/haruurara/blood.html)、ヒカサクィーンhttp://csx.jp/~ahonoora/hikasa_queen.html