今週は日曜・水曜・木曜と3日間大井競馬を観戦して来ましたが(水曜はイベントに行くため途中で退出)、木曜日に行われた東京プリンセス賞ネフェルメモリーが文句無しの圧勝劇だった。
勝ち時計の1分53秒5は重馬場で行われた同じ距離の羽田盃よりも1秒4早く、その前の京浜盃の勝ち時計から推測しても東京ダービーに出ても勝ち負けが期待出来る。
陣営も東京ダービーに向かう話があり、東京ダービーに出るのか、あるいはチャームアスリープ以来史上2頭目南関東牝馬3冠馬を目指しに関東オークスに出るのか、どっちに出るのか注目が集まる所です。
さて、東京ダービーの名前がさっき出ましたが、これまで東京ダービーを勝った牝馬は何頭いるのか?
中央競馬のダービーは明日行われるヴィクトリアマイルに出るウオッカ(2007年)を含めて3頭いるが、東京ダービーは何頭いるのか。
東京ダービーを勝った牝馬は第1回のローヤルレザー(朝倉文四郎・1956年)、佐々木竹見元騎手の唯一の東京ダービー勝ちとなった第11回のヒガシユリ(1965年)、南関東を代表する名牝ロジータが勝った第35回(1989年)、そして25日から厩舎が開業する鈴木啓之が騎乗していた第37回のアポロピンク(1991年)の以上の4頭。
ネフェルメモリーがもし、東京ダービーに出て勝てば18年ぶり、史上5頭目牝馬東京ダービー制覇となる。
前に勝ったアポロピンク以降の東京ダービーに出た牝馬の成績をここで書いておきます。
なお、アポロピンクが勝った年も他にカールホワイト(4着・高橋三郎)、イソノシャトル(8着・内田博幸・後にJRAに移籍も未勝利で大井に再転入)、ドラールオウカン(13着・秋吉和美・後に東京大賞典東京記念ロジータ記念と重賞3勝挙げる)が出走していた。

<1992年> 勝ち馬:グレイドショウリ石崎隆之
14着:カシワズプリンセス(高橋三郎)  ネフェルメモリーの祖母。その前は京浜盃黒潮盃羽田盃と牡馬相手に重賞3連勝し1番人気に支持されていた。
15着:エースポポ(佐藤正人)      7番人気になるもシンガリ負け。繁殖入りしてからレオマイティーJRA3勝・1000万条件ながら札幌記念(6着)、函館記念(12着)に出走した事がある)を出している。


<1993年> 勝ち馬:プレザント(桑島孝春
出走馬無し


<1994年> 勝ち馬:カネショウゴールド(一ノ瀬亨)
出走馬無し


<1995年> 勝ち馬:ジョージタイセイ(藤村和生)
4着:パルブライト藤江明徳)      前年に東京3歳優駿牝馬を勝ち3歳牝馬女王に。前走はJRAオークストライアルサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別に出走し6着だった。後に大井記念などを勝ちJRAに移籍し、新潟記念函館記念と重賞2勝した。
8着:ドラールクラウン内田博幸)    前述のドラールオウカンの半妹。後に戸塚記念を制覇。長らくオープンで活躍した。
9着:ヘイワンリーフ(桑島孝春)     前走関東オークス勝ちでこのレースは9着に敗れるも次走の東京プリンセス賞を勝ち牝馬2冠を達成。後にJRAに移籍。
16着:ナイキグレース的場文男)    この年の桜花賞馬。関東オークスで7着に敗れてから参戦もシンガリ負け。1つ下の全弟に京浜盃黒潮盃羽田盃を圧勝したナイキジャガー、2つ下の半妹に南関東の重賞で善戦を続けたナイキジャスパー、5つ下の半弟にマーチカップ、白銀争覇と笠松の重賞を2勝し、北海道3歳優駿で2着に入ったナイキゴールドがいる。


<1996年> 勝ち馬:セントリック(宮浦正行)
12着:ハッピーファミリー(水久保敏美) 通算76戦1勝。唯一の勝利は3歳秋に川崎の3歳特別で挙げた物。重賞では8回出走し、関東オークスで3着、しらさぎ賞で4着、東京プリンセス賞で5着に入っている。従兄弟に現JRA準オープンのクリノビスケット、オープンで活躍したトウカイサイレンス。
13着:タカミプリティ(野崎武司)    この年の関東オークス馬で東京プリンセス賞でも2着に入っている。


<1997年> 勝ち馬:サプライズパワー石崎隆之
3着:ワールドイーグル(脇本一幸)    東京プリンセス賞で11番人気で2着に入った後に挑んだここでも11番人気と人気薄ながらもユートカイザーと差の無い3着に入った。後に重賞のゴールデンティアラ賞を1番人気で勝利する。
7着:ミスジュディ(桑島孝春)      桜花賞3着、関東オークス2着と惜敗続くも3冠目の東京プリンセス賞を勝ち、シルバーアクトの牝馬3冠を阻止。その後2戦走り引退した。アジュディケーティングの産駒。
12着:ナイキジャスパー(的場文男)   ナイキグレースの項目を参照。半姉より先着を果たしている。後にJRAに移籍している。
中止:シルバーアクト(佐藤祐樹)     半兄に鳴尾記念を勝ったルーブルアクトを持つこの年の2冠牝馬。しかし、東京プリンセス賞以降は勝ち星を挙げられずに引退している。現JRA500万のショウリュウアクトの母。


<1998年> 勝ち馬:アトミックサンダー(張田京
5着:アイディアルクイン(藤村和生)   東京プリンセス賞で2着に入った後に挑んで5着と健闘。後に佐賀に移籍し、九州王冠と九州大賞典と重賞2勝挙げている。なお、両レースともこれ以降牝馬が優勝した事は1度もない。(九州王冠はアイディアルクインが唯一牝馬勝馬
14着:スイートヒマワリ(堀千亜樹)   東京プリンセス賞で3着に入ってここに挑むも大敗。以降は4着が最高の成績で引退。叔父にシンドバッド、ザブレス、ファインドロップ
15着:ガーデンプレイス(佐藤祐樹)   牝馬3冠は全て4着の珍記録を持って参戦も大敗。以降は3着が1回あるも大敗続きで引退している。


<1999年> 勝ち馬:オリオンザサンクス(早田秀治)
出走馬無し


<2000年> 勝ち馬:ヒノデラスタ(桑島孝春
10着:ウツミダンスダンス(鈴木啓之)  3歳時は岩手で重賞の南部駒賞含む4勝挙げて鳴り物入りで大井に移籍。桜花賞2着後に挑んだ前走の東京王冠賞でアローウィナーのクビ差の2着と惜敗。その後はゴールデンティアラ賞で重賞制覇を果たすも翌年の大井記念のレース中に故障を発生し競走中止。そのまま引退となった。その後は繁殖入りし、現在ノボジャックとの間に生まれたリニアラピートがJRA未勝利で走っている。


<2001年> 勝ち馬:トーシンブリザード石崎隆之
出走馬無し


<2002年> 勝ち馬:キングセイバー酒井忍
12着:ウィンメッセージ(左海誠二)   道営でデビュー。第1回サンライズカッププリンシパルリバーラヴァリーフリッグらを相手に優勝。また、エーデルワイス賞、北海道2歳優駿でそれぞれ3着と好走。南関に移籍してからも重賞で善戦を続けていたが、以降は大敗が続き道営に戻るも1度も勝つことなく引退した。現在、ウインノーザが道営3歳で活躍している。なお、サンライズカップ牝馬が優勝したのはウィンメッセージだけである。


<2003年> 勝ち馬:ナイキアディライト石崎隆之
11着:ムギワラボウシ(今野忠成)    デビューから2連勝し、東京2歳優駿牝馬で3着、前走の東京プリンセス賞では4着に入るもここは11着と大敗。ただし、後に重賞3勝挙げたイシノファミリーに先着している。ロジータ記念5着後にJRAに移籍し1勝挙げた後、南関東に戻り、2006年12月以降は冨田厩舎所属馬としてレースに走られ続けている。


<2004年> 勝ち馬:アジュディミツオー佐藤隆
出走馬無し


<2005年> 勝ち馬:シーチャリオット内田博幸
出走馬無し


<2006年> 勝ち馬:ビービートルネード町田直希
出走馬無し


<2007年> 勝ち馬:アンパサンド(戸崎圭太
出走馬無し


<2008年> 勝ち馬:ドリームスカイ戸崎圭太
出走馬無し

以上が東京ダービーに挑んだ牝馬の成績でしたが、連に絡んだ馬は1頭もおらず、3着に入ったのも97年のワールドイーグル、掲示板に入ったのも3頭だけといかに東京ダービーが厳しいレースか分かると思います。
ちなみに近年有力牝馬の出走が少ないのは東京プリンセス賞関東オークス東京ダービーと近い日に行われているのも影響しているかと思います。
もし、ネフェルメモリーは出るとなれば、6年ぶりの牝馬参戦、掲示板に入れば11年ぶり、馬券に絡めば12年ぶり、そして優勝となれば18年ぶりになりますが、果たして東京ダービーに向かうのか、あるいは牝馬三冠狙いに関東オークスに向かうのか。
いずれにしてもネフェルメモリーの今後が楽しみです。