先日行われた菊花賞スリーロールスが優勝し、これで今年の中央のクラシックが終了した。
その前に行われた秋華賞ブエナビスタスティルインラブ以来6年ぶり史上3頭目牝馬三冠に王手を掛けたが、レッドディザイアにわずかに及ばずに2着。さらに進路妨害で3着と降着になり、牝馬三冠達成とならなかった。
このブエナビスタ牝馬三冠なるかに少し前は沸いていたが、地方競馬でも今年は6頭の二冠馬が誕生している。
北海道やばんえい、岩手、東海などまだ三冠目がこれから行われる所があるが、今年誕生した二冠馬をここで紹介する。

ばんえい:2歳三冠(昨年度):ホクショウバンク
北海道:2歳牝馬三冠:オノユウ
岩手:3歳三冠:マヨノエンゼル
南関東:3歳牝馬三冠:ネフェルメモリー
高知:3歳三冠:グランシング
九州:3歳三冠:ギオンゴールド

ばんえいの2歳三冠は年をまたがって実施されるため、ホクショウバンクの二冠(ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップ)は昨年達成しているが、一応ここで紹介しておく。
上記の通り、今の所6頭の三冠馬が誕生している。
そのうち、最終戦まで二冠を制していたのはオノユウ以外の5頭。(オノユウはフローラルカップエーデルワイス賞は制しているが、リリーカップは不出走)。
この5頭の三冠目の成績は

・ホクショウバンク:イレネー記念3着(勝ち馬:キタノタイショウ)
ネフェルメモリー関東オークス不出走(勝ち馬:ラヴィエータ、ちなみに変則三冠を狙った東京ダービーは4着(勝ち馬:サイレントスタメン))
・グランシング:黒潮菊花賞1着
ギオンゴールドロータスクラウン賞6着(勝ち馬:ミヤノオードリー)

マヨノエンゼルは三冠目の不来方賞がまだ実施されていないため(11月22日実施)、4頭が三冠を掛けて出走したが、達成したのは高知のグランシングのみだった。
グランシングは黒潮皐月賞、高知優駿を勝ち、三冠を掛けた黒潮菊花賞は道中好位3番手からレースを進め、2周目3コーナーで逃げるガーランドに並んで行くと、4コーナーで外から抜け出し、ケージーフジ、さらに伸びて来るリワードブライトンの追撃を振り切り、オオギリセイコー以来9年ぶり史上3頭目の高知競馬三冠達成となった。
ホクショウバンクはイレネー記念は第2障害を下るのが遅れ、先に下りたキタノタイショウから大きく遅れて下り、直線一気に追い上げるも3着までが精一杯。
ネフェルメモリー関東オークスにも登録があったが、2週前に行われた東京ダービーを使ったため牝馬三冠目の関東オークスには出走せず、チャームアスリープ以来の南関東牝馬三冠馬の誕生はならなかった。仮に関東オークスに出ていたとしても、圧勝したラヴィエータにどこまで食い下がっただろうか。
ギオンゴールドは前走の荒尾の荒炎賞より馬体重が24キロも増えたのが影響し、向こう正面での仕掛け所での動きも鈍く、2周目4コーナーでも中団後ろにいて、結局勝ったミヤノオードリーから3秒も離された6着と大敗した。


ご覧の通りに今年は各地区で二冠馬が多く誕生し、三冠馬も誕生した。
まだ二冠目、及び三冠目が行われていない地区が多いが、これからによっては二冠馬及び三冠馬が増える可能性もある。
マヨノエンゼルは11月22日の不来方賞に出て勝てば、セイントセーリング以来史上2頭目岩手競馬3歳三冠馬の誕生となる。
昨日行われた北上川大賞典は長距離が影響したのか、勝ったリュウノキングダムから離された3着に敗れたが、距離が二千に戻る不来方賞なら巻き返しがありそうで、古馬オープン相手に勝ち負けしているだけに同世代相手には負けられないだろう。あとは他地区の登録馬次第で三冠の可能性はさらに広がりそうだ。
三冠が設定されていないが、福山ではアグリヤングが3歳重賞をここまで総なめをしており*1、12月20日に行われる福山王冠を制すれば福山3歳重賞完全制覇となる。
さらにアグリヤングは2歳時にも福山2歳優駿ヤングチャンピオンを勝っている事から、この世代の重賞は牝馬限定重賞以外は全てアグリヤングが制している事になる。福山王冠も制して完全独占なるか。
今後も各地区の二冠、三冠目のレース及びアグリヤングのレースから目が離せない。

*1:若駒賞、キングカップ、福山ダービー、福山チャンピオンシップ、鞆の浦